BCP(事業継続計画)の策定率は約4割 ― 求められる災害リスク対策

東京商工会議所は8月、「会員企業の災害・リスク対策に関するアンケート」2025年調査結果を発表しました。
調査によれば、中小企業のBCP(事業継続計画)の策定率は39.5%にとどまっており
依然として多くの企業で災害や非常時への備えが十分ではない現状が明らかになりました。
最も多くの企業が「備えが必要」(95%)と回答したリスクは 「地震」。
日本における災害リスクの高さが改めて浮き彫りとなっています。
BCP策定の課題
なぜ、中小企業のBCP策定率は、約39.5%に留まっているのでしょうか。
BCP策定の課題では、「人員や時間に余裕がない」との回答が5割以上となり
次いで「具体的な対策方法が分からない」との回答が約4割。
「費用に余裕がない(25.3%)」、「具体的なリスクが分からない(16.9%)」と続きます。
日々の業務で精いっぱいで、人員や時間に余裕がない現実があるようです。
医療・介護業界にとってのBCPの重要性
医療・介護事業所は、災害時にも業務を止めることが許されない「社会インフラ的な役割」を担っています。
入院患者や入所者がいる施設では、停電や断水、職員不足が直結して利用者の生命に関わるため
BCP策定は単なる「危機管理」ではなく、事業継続そのものが使命といえます。
特に考慮すべきポイントは以下のとおりです
- ライフライン途絶時の対応:非常用発電機、医療機器の予備電源、生活用水・食料の備蓄
- 人員体制の確保:災害時出勤可能な職員のリストアップ、代替要員の配置
- 利用者の安全確保:避難誘導マニュアル、在宅利用者への安否確認体制
- 外部連携:自治体・消防・地域医療機関との情報共有・協力体制
熱中症対策も労務管理の課題に
今回の調査では、労働安全衛生法の改正規則で対応が求められている
「熱中症対策」についても以下の現状が示されています。
- 「クールビズ」実施:69.9%
- 「水分・塩分補給品、冷却グッズ提供」:53.6%
- 「作業環境の整備」:52.0%
医療・介護現場は、高齢者や要介護者のケアと並行して職員自身の健康管理も重要です。
職員が熱中症で倒れてしまえば、利用者の安全も脅かされます。
従業員の労務管理と安全配慮義務の観点からも、熱中症対策の徹底は必須といえるでしょう。
まとめ
医療・介護業界では、BCP策定と熱中症対策は利用者の安全と従業員の労務環境を守るために欠かせない課題です。
名古屋で活動する社労士として
地域の医療・介護事業所が「安心して働ける職場」と「災害に強い組織」を両立できるよう、制度設計や人事労務面からのサポートを行ってまいります。
👉 詳細はこちら(東京商工会議所HP)
「会員企業の災害・リスク対策に関するアンケート」2025年調査結果