高齢者の安全と健康確保ガイドライン、認知度はわずか2割

厚生労働省は2024年「労働安全衛生調査(事業所・個人調査)」の結果を公表しました。
調査によると、60歳以上の労働者がいる事業所のうち
「エイジフレンドリーガイドライン」を知っている割合は21.6%にとどまりました。
さらに、高齢者の労災防止対策に実際に取り組んでいる事業所は18.1%と
対策が進んでいない現状が浮き彫りになっています。
調査の主なポイント
- メンタルヘルス不調による1か月以上の休業・退職者がいた事業所は12.8%
- メンタルヘルス対策に取り組む事業所は63.2%
(中でも「ストレスチェックの実施」が65.3%) - 月80時間を超える時間外・休日労働があった労働者は1.5%
→そのうち、医師による面接指導を受けたのは12.6%
介護施設・医療機関にとってのリスク
介護・医療業界では、高齢者の職員が現場で欠かせない戦力になっています。
しかし、以下のようなリスクが指摘されています。
- 介助作業に伴う腰痛や転倒などの労災事故
- 夜勤や長時間労働による健康被害
- 精神的な負荷によるメンタルヘルス不調
ガイドラインの認知度が低いため
労働環境改善や補助金活用の機会を逃している事業所も少なくありません。
高齢者の労災防止
エイジフレンドリーガイドラインを知っている事業所のうち
高年齢労働者に対する労働災害防止対策に取り組んでいる事業所の割合は18.1%に留まっています。
このうち、高年齢労働者に対する労働災害防止対策の取組内容をみると
「高年齢労働者の特性を考慮した作業管理
(持久性、筋力の低下等を考慮した高年齢労働者向けの作業内容の見直し)」が62.9%と最も多く
次いで「個々の高年齢労働者の健康や体力の状況に応じた対応
(運動指導や栄養指導、保健指導などの実施など)」が47.8%となっています。
エイジフレンドリーガイドラインと補助金の活用
厚生労働省は「高年齢労働者の安全と健康確保対策(エイジフレンドリーガイドライン)」を策定し
- 高齢労働者の安全衛生教育
- 作業環境や設備の改善
- 腰痛予防や転倒防止の仕組みづくり
などを推進しています。
さらに、これらの取り組みを後押しする「エイジフレンドリー補助金」も活用できます。
社労士ができるサポート
当事務所では、介護・医療事業所向けに以下のサポートを行っています。
- エイジフレンドリー補助金の申請支援
- 高齢労働者の安全衛生体制の構築(リスクアセスメント、腰痛予防策など)
- ストレスチェック制度の運用・メンタルヘルス対策
- 労働時間管理と面接指導体制の整備
介護施設や医療現場において
高齢者を含めた職員が安心して働ける職場づくりは人材定着の大きなカギです。
制度や補助金を有効活用し、事故や健康リスクを防ぐ取り組みを進めましょう。
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