10〜20代の「心の病」が最多!ストレスチェックの“活かし方”が課題

日本生産性本部は
「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査を公表しました。
10~20代の「心の病」最多
今回の調査では、「心の病」が最も多い年齢層は10〜20代と回答した企業が37.6%。
前回調査(43.9%)に続き最多で、10年前(18.4%)から 2倍以上 と
若年層のメンタル不調が長期的に拡大している実態が明らかになりました。
また、過去3年で「心の病」が増加傾向と回答した企業も39.2%と高い水準です。
「会社の理念」が浸透していないと「心の病」が増加傾向
「会社の理念や経営方針は従業員に浸透している」に“そう思わない”と回答した企業では
「心の病」の増加傾向が50.0%だったのに対して
そう思うと回答した企業では34.2%となりました。
医療・介護現場にとっての重要ポイント
医療・介護業界では、若手スタッフが早期離職する大きな要因の一つが「メンタル不調」です。
特に以下のような環境要因が重なりやすく、若年層の負担が強く感じられる傾向があります。
- 利用者・患者対応による精神的負荷
- 夜勤・不規則勤務による生活リズムの乱れ
- OJTの質のばらつき、職場内コミュニケーション不足
- ミスへの恐怖や自信喪失
- パワハラ・カスハラの発生リスク
若年層に限らず、年代別の労働環境やメンタル状態を分析することが
今後の人材定着に欠かせません。
ストレスチェック制度の最大の課題は「活かし方」
調査では、ストレスチェック制度における課題として
「集団分析結果の活かし方がわからない」が 65.3%で最多となりました。
2位は「高ストレス者への面接以外のフォロー」(35.9%)、
3位は「医師面接勧奨者が面接を希望しないこと」(31.8%)となっています。
よくある課題
医療・介護現場では、以下のような課題が多く見られます。
- 結果を「実施して終わり」にしてしまう
- 部署別のストレス要因が見えていない
- 改善施策が業務多忙で形骸化
- メンタル不調者へのフォローが担当者任せ
- そもそも読み方・活かし方が不明
活かし方のポイント
- 部署別・職種別のストレス要因を可視化
例:介護職は「身体負荷」、看護職は「業務量」、事務は「人間関係」など。 - 夜勤者と日勤者で分けて分析
勤務帯ごとにストレス構造が異なる。 - 結果を毎月のミーティングで共有
“点”ではなく“継続的な改善”につなげる。 - メンタル不調者が早期に相談できる仕組み作り
外部相談窓口の導入や、産業医・社労士の活用。 - ハラスメント・カスハラ対策とセットで運用
若年層の離職防止につながる。
まとめ
今回の調査では、「心の病」が最も多い年齢層は10〜20代と回答した企業が37.6%でした。
“理念や経営方針を浸透させる”ことで
従業員がアイデンティティを形成しやすくなることや
見通しを持ちやすくなることなどの効果が期待できます。
若年層を中心としたメンタル不調の増加は、現場の人材不足につながる喫緊の課題です。
「ストレスチェック結果をどう使えばいいかわからない」という事業所様は、お気軽にご相談ください。


