働き方改革関連法施行後5年の総点検結果を公表、今後の働き方改革の方向性は?

厚生労働省は、令和8年3月5日、働き方改革関連法の施行から5年を経過したことを踏まえ
労働者アンケートおよび企業・労働者へのヒアリング調査を実施し、その結果を公表しました。
今後は、この結果をもとに、労働政策審議会等で労働基準関係法制の見直しが議論される予定です。
調査結果のポイント
1.就業形態
- 正規職員:62.8%
- パート:15.5%
- アルバイト:7.9%
- 派遣社員:3.6%
- 契約社員:6.8%
医療・介護現場では、パート・非正規人材への依存度がさらに高い傾向があり、より影響が大きいと考えられます。
2.労働時間制度
- 通常の労働時間制度:67.0%
- フレックスタイム制:10.3%
- 変形労働時間制:6.8%
医療・介護では、変形労働時間制やシフト制の運用が中心となるため
制度運用の適正化が重要です。
3.時間外労働の状況(直近3か月平均)
- 月0時間:24.8%
- 月10時間以下:23.4%
時間外労働は確実に減少している一方で
- 月80時間以上:1.6%
- 100時間以上:3.3%
のように、一部では依然として長時間労働が残存しています。
4.労働時間に対する意識
- 「ちょうどよい」:59.7%
- 「多い・やや多い」:約26%
- 「やや少ない」:7.3%
- 「少ない」:6.6%
約4人に1人が「労働時間が多い」と感じています。
5.労働時間の希望
- 「減らしたい」:約30%
- 「現状維持」:約60%
約6割の方は現状維持を希望していますが
約3割は労働時間の削減を希望しています。
6.労働時間を減らしたい理由
- 自分の時間を持ちたいから:66.7%
- 生産性を上げたいから:11.1%
- 帰りやすい風土をつくりたいから:20.9%
- 家事、育児等の時間を持ちたいから:18.4%
- 副業・兼業をしたいから:7.6%
- 自身の健康を害しないため:39.6%
- 長時間労働をしても収入が割に合わないから:30.0%
- 今の仕事が好きではないから:12.2%
- その他:3.0%
特に医療・介護では、「心身の負担」と「処遇のバランス」が大きな課題です。
医療・介護事業者が押さえるべきポイント
今回の調査から読み取れる重要な点は次のとおりです。
① 「長時間労働=人材流出」のリスク
医療・介護職は責任感が強い反面
・無理をして働く
・限界で離職する
という傾向があります。
“辞める直前まで表面化しない”のが特徴です。
② 「時間」よりも「納得感」が重要
単に労働時間を減らすだけでなく
・業務の効率化
・役割分担の明確化
・処遇とのバランス
働き方の“納得感”が定着に直結します。
③ シフト設計が経営課題に直結
特に医療・介護では
・夜勤負担
・急な欠員対応
・人員配置基準
シフト設計=経営の安定性そのものです。
今後の制度改正にも要注意
今回の総点検は「現状分析」にとどまらず
今後の制度見直しの前提となるものです。
想定される方向性としては
- 時間外労働規制の強化
- 柔軟な働き方制度の拡充
- 健康確保措置の強化
などが考えられます。
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