【2026年4月~】健康保険の被扶養者認定基準が変更へ/厚労省

厚生労働省は、健康保険の被扶養者認定に関する取扱いについて見直しを行い
令和8年4月1日以降の認定から、新たな基準が適用されます。
すでに通達(令和7年10月1日)により示され、Q&A(第1版)に続き
令和8年3月9日にはQ&A(第2版)が公表され、実務上の取扱いがより明確になりました。
変更のポイント(重要)
これまでの被扶養者認定では、「実際の収入実績」などを基に判断されるケースが多く見られました。
しかし、今後は労働契約で定められた賃金から見込まれる年間収入によって判断されることになります。
加えて通達では、(1)(2)の条件を満たす労働者は
被扶養者に該当するものとして扱うと書かれています。
(1)被保険者と同一世帯に属している場合には、被保険者の年間収入の2分の1未満であると認められる場合
(2)被保険者と同一世帯に属していない場合には、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合
医療・介護事業所で特に影響が大きいケース
本改正は、特に以下のようなケースで影響が出ます。
① パート・非常勤職員の配偶者
・扶養の範囲内で働いている職員
・シフト変動がある介護職・看護補助者
契約上の賃金ベースで判定されるため、扶養から外れる可能性があります。
シフト制の場合は、どのように年間収入を把握するかは、Q&A集に載っています。
Q労働契約内容により年間収入が判定できない場合(例えば、「シフト制による」といった労働時間の記載が不明確な場合)にはどのように年間収入を判定すべきか。
A 労働契約内容による年間収入の判定ができないため
従来どおり給与明細書、課税(非課税)証明書等により年間収入を判定することとなります。
② 人手不足によるシフト増加
医療・介護現場では慢性的な人手不足により
・急なシフト追加
・勤務時間の増加
が発生しやすい状況です。
今後は「結果として増えた収入」ではなく
最初の契約条件で判断される点に注意が必要です。
入職時の労働条件設定
例えば
・週20時間未満で扶養内想定
・ただし繁忙期は時間増加あり
といったケース
契約内容によっては
当初から扶養認定されない可能性があります。
実務対応のポイント
医療・介護事業所では、次の対応が重要です。
✔ 雇用契約書の見直し
・所定労働時間
・賃金(月額・時給換算)
→ 「年間収入見込み」に直結
✔ 扶養確認のタイミングの見直し
・入職時
・契約更新時
「実績確認」ではなく、契約ベースでの事前チェックが必須になります。
✔ 職員への事前説明
扶養から外れることで
・社会保険加入
・手取り額の変化
が発生するため、トラブルになりやすい分野です。
そのため、採用時・契約変更時の説明が極めて重要となります。
社労士としての視点
今回の見直しは一見細かい変更ですが
現場では次のような影響につながります。
・扶養外れによる離職リスク
・人員確保への影響
・給与設計の見直し必要性
特に医療・介護業界では
「扶養内で働きたい人材」が重要な戦力であるため
制度理解の有無が採用・定着に直結します。
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労務サポートセンター愛知では
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・パート職員の働き方設計
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