「仕事と介護」の両立支援のため、厚労省がツールを公表

介護離職防止の取り組みは、社員のキャリア継続支援に留まらず
持続的な事業・組織運営における重要なリスクマネジメントです。
育児とは異なり、社員が家族の介護にいつ直面し、その課題がいつまで続くかを正確に予測できないため
企業の準備が遅れがちになる傾向があります。
しかし、その影響は甚大です。
現在、介護をしながら仕事をする労働者は約365万人に上り
家族の介護・看護を理由とする離職者数は年間約10.6万人という高い水準で推移しています。
これは、企業の熟練労働者や管理職の突然の離脱を意味し、事業運営に深刻なダメージを与えます。
厚生労働省が企業向け支援ツールを公表
厚生労働省は、「企業による社員の仕事と介護の両立支援に向けた実務的な支援ツール」を公表しました。
2025年4月に施行される改正育児・介護休業法では
- 相談窓口の設置
- 家族介護に直面した社員への制度の周知・意向確認
などが、事業主の義務として定められました。
この改正により、企業には単に制度を整備するだけでなく
介護保険制度等による介護サービスと勤務先の両立支援制度を必要に応じて効果的に組み合わせて
仕事と介護を両立できるように支援することが基本です。
厚労省の支援ツールでは
- 企業として果たすべき役割の整理
- 対応すべき事項のチェックリスト
- 相談体制の整備や情報提供の方法
- 社内で使える様式や資料例
など、実務に直結する内容がまとめられています。
介護離職の防止は、医療・介護業界をはじめ、多くの職場にとって喫緊の課題です。
「何から始めればいいかわからない」という企業の方も
このツールを活用することで、自社の取組を一歩進めることができます。
🌿社労士が会社にできる「仕事と介護の両立支援」サポート
① 社内ルールの整備・見直し支援
- 改正育児・介護休業法に対応した 就業規則・育介規程の改定
- 「介護休業」「介護休暇」「短時間勤務」などの運用ルール整備
- 両立支援制度を導入しやすい モデル文例の提供
② 社内体制づくり・相談窓口設置支援
- 相談窓口担当者の選定・役割明確化 のサポート
- 社内向けマニュアル・フロー図の作成支援
- 実際の相談対応で迷わないよう、 担当者向け研修やQ&A整備
③ 社員への周知・意向確認の仕組みづくり
- 介護に直面した社員に対する 制度説明・意向確認シートの整備
- 社員説明会・面談時に使用できる 資料やテンプレートの提供
- 社員への案内文(社内メール・掲示用)の作成支援
④ 介護離職防止のための職場運用支援
- 短時間勤務・在宅勤務などの 柔軟な働き方設計支援
- 業務分担・代替要員確保のための 人事労務面のアドバイス
- 本人・上司・人事の三者が安心して話せる 社内コミュニケーション設計
⑤ 助成金・行政支援制度の活用サポート
- 「両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)」の申請サポート
- 企業規模に応じた 助成金の組み合わせ提案
- 実施計画書やエビデンス資料の作成支援
センター愛知からのひとこと
医療・介護事業所や中小企業の皆さまが
介護と仕事の両立支援体制をスムーズに整えられるよう
就業規則の見直しや相談体制づくりをサポートしています。


