職場の健康に関する取り組み
はじめに
名古屋の社会保険労務士事務所、労務サポートです。
株式会社エムステージが、企業の人事労務担当者400名に
「職場の健康に関する取り組み」について調査を実施し、その結果を公表しました。
調査から見える実態
「2023年4月から2024年3月まで、体調不良やメンタルヘルス不調が原因で、1か月以上の休職・退職をした従業員が何名いるか」
の結果は以下の通りです。
- いない:42.0%
- 1名:12.3%
- 2名:9.5%
- 3名:7.8%
- 4名:2%
- 5名以上発生:9.0%
最新の職場健康調査によると、40.6%(1名:12.3% + 2名:9.5% + 3名:7.8% +4名: 2.0% + 5名以上9.0% )の企業で
フィジカル・メンタルヘルス不調による休職・退職者が発生しています。
特に医療・介護現場では、従業員の健康管理が事業継続に直結する重要課題となっています。
離職者が発生したときの専用オペレーションは未整備
フィジカルヘルス不調者やメンタルヘルス不調者
それによる休職者・離職者が発生した際の対応について
35.8%の担当者は「専用のオペレーションが無い」と回答しました。
反対に「専用のオペレーションがある」という回答は28.7%となり
無いという回答を下回る結果となりました。
他には以下のような対応をしています。
- 休職・離職は発生していない:34.2%
- その他:1.3%
現在行っている職場の健康に関する取り組み
現在行っている、職場の健康に関する取組みにおいて
最も時間をかけていること・かかっていることは
「ほとんど何もやっていない」(126件)という回答が最多でした。
次に「不調者(フィジカル・メンタル含む)の面談対応」(52)
「健康診断・ストレスチェック結果の分析・対策」(49)
「健康診断・ストレスチェックの準備・手配」(46)、「休職者の対応」(38)が続きました。
フィジカルヘルス不調者やメンタルヘルス不調者
それによる休職者、離職者の対応において
負担や難しいと感じることに関するフリー回答では
対応する担当者が不足していることに関連するコメントが最も多く見られました。
・業務が増える(従業員数:100~299人)
・人事部の担当者不足(従業員数:5001人以上)
・仕事量の負担(従業員数:500~999人)
まとめ
調査結果から、コロナ前に比べて不調者が増えたと感じている企業が多いこともわかります。
従業員の健康管理は、単なる法令遵守にとどまらず、事業継続の基盤となる重要課題です。
以下の3点が大切です。
- 予防的な健康管理体制の構築
- 不調者発生時の適切な対応体制の整備
- 働きやすい職場環境づくりの支援
特に注目すべきは、健康に関する取り組みを
「ほとんど何もやっていない」という回答が最多(126件)であった点です。
問題が発生したときに対応する、後手に回る企業が多いかと思いますが
事前に対策を立てたり、予防できるよう、働きかけたいところです。